肥満治療で難しいのは、体重を落とすより、落とした体重を維持していくことです。

減量の決意を支え、意志を保っていけるように、自分を取り巻く環境をつくっていきましょう。
 

減量重言をして協力者を増やそう

減量は長期戦で臨む必要があります。

人間は意志の弱い生き物ですから、戦い抜くためには、弱い意志を支える工夫も必要になります。

もともと、肥満する人の周囲には、肥満しやすい環境があるものです。

日本では、肥満を深刻な問題と考えてくれない人も多いので、まず本人がしっかり決意しないと、ダイエットも持続しません。

「子どもの食事の世話をするから、つい食べてしまう」「職場で自分だけ食べないのは気まずくなる」などと、誰かのせいにしているうちは、なかなか肥満と縁は切れません。

周囲の人にも協力してもらうためには、まず自分が減量中であることを宣言しましょう。

減量宣言をすることで、自分自身を引っこみのつかない状態に追いこむことにもなります。

家庭では、毎日つける体重表を家族みんなが見えるところに張っておくと、よい意味での監視をしてもらえます。

がんばった自分を上手に励まそう

自分自身に対しては、周囲に流されない強い意志を求めるとともに、常に前向きの目標をもち続けることも大切です。

洋服が1サイズ変わるだけやせたら、すぐに服を買って、がんばった自分へのごほうびにするという人もいます。

そういうときには、単にごほうびというだけでなく、「再びこれを着られないようにはしない」と、その後の励みになるような考え方をするといいでしょう。

体重を記録するグラフも、やせてきたら、上の目盛りをなくしていって、常に先の目標を示すようにします。

こうしたことで、減量への意識を保ち続ける環境をつくっていくわけです。

また、減量にはどうしても精神的なストレスがつきまとい、しばしばリバウンドの火種になります。

趣味、スポーツなど、食べることに代わる楽しみを見つけ、積極的にストレス解消をはかることも心がけましょう。

注意!こんなとき減量につまずきやすい

「がんばっているのに体重が減らない」「あんなに決心したのに、また食べてしまった」減量がうまくいかないことはあるものです。

つまずきの罠にかからない知恵をもちましょう。

誰でも減量には停滞期がある

肥満の人が食事療法と運動療法を始めると、当初はほぼ順調に体重が減少していっても、しばらくすると、誰でも停滞する時期が来ます。

これは、減量にともなって基礎代謝が低下し、消費エネルギー量が減ってくるからです。食事の少ない環境に体が適応する現象が起こるのです。

かつて長く飢餓との戦いに耐えてきた人類の、生き延びるための防衛機構が働く結果といえます。

このときに挫折してしまう人が多いのですが、失敗だとあきらめずに続けることが大切です。

この時期は体の調整期ですから、それを乗り切って、さらに総エネルギーを減らしていけば、また体重は減少してきます。

また、女性は月経周期に合わせて体に水分がたまりやすく、その時期は食事療法を守っても体重が減らないように見えることがあります。

あせらずに続けていれば、いずれ低下します。

失敗=挫折にしない「心のもち方」のコツ

減量を進めるなかでは、誰でも失敗することがあるものです。

このとき、何事も完壁でないと気がすまず、ちょっとした失敗で挫折感を抱いたり、自分はだめだと考えると、つまずいてしまいます。

そんな傾向のある人は、心のもち方を変えてみましょう。

例えば目標を立てるときも「絶対に間食はしない」という言葉の使い方は

やめ、「できるだけ間食はしない」と考えるようにしましょう。

「絶対にしない」と考えると、1回食べてしまっても「がまんできなかった」と罪悪感を抱きがちですが、これはプラスにはなりません。

「できるだけしない」と考え、「前より回数が減った」と肯定的な評価をしたほうが、もっとがんばろうという気になれるものです。

ちょっとした言葉の違いのように思えるかもしれませんが、何度も口に出したりしていると、そうした考え方が強まってくるものなのです。

柔軟な心のもち方で挫折を防ぎましょう。

挫折感を生みやすい考え方を変えよう

挫折感を生まないためには、「絶対に」「必す」「決して」「常に」というような絶対的な言葉を避けるのがコツです。

・毎日必す運動をしよう→とにかく体をよく動かそう。

運動できない日があったら、翌日はがんばろう

・ケーキは絶対に食べない→ケーキはなるべく食べないようにしよう。

食べてしまったら、ほかの食事を減らそう

・毎週着実に体重を減らす→体重が増えたときの生活を見直そう